傭兵の定義

「金で雇われた奴は傭兵だ!」
恐らく日本人の大半が、そう思ってると思います。
では昨今、世間を賑わした民間軍事企業(PMC:Private Military Company)の社員は傭兵か?
大半の日本人が「YES」と言うと思います。
っがしかし国際法ジュネーブ諸条約第一追加議定書)上に照らし合わせるとこうなります。

第四十七条 傭兵

1 傭兵は、戦闘員である権利又は捕虜となる権利を有しない。
2 傭兵とは、次のすべての条件を満たす者をいう。
(a)武力紛争において戦うために現地又は国外で特別に採用されていること。
(b)実際に敵対行為に直接参加していること。
(c)主として私的な利益を得たいとの願望により敵対行為に参加し、並びに紛争当事者により又は紛争当事者の名において、当該紛争当事者の軍隊において類似の階級に属し及び類似の任務を有する戦闘員に対して約束され又は支払われる額を相当上回る物質的な報酬を実際に約束されていること。
(d)紛争当事者の国民でなく、また、紛争当事者が支配している地域の居住者でないこと。
(e)紛争当事者の軍隊の構成員でないこと。
(f)紛争当事者でない国が自国の軍隊の構成員として公の任務で派遣した者でないこと

PMCは合法的に設立された企業で、その契約に基づき社員を派遣するるので四十七条2.(c)などに該当しないので、国際法上はPMCの社員は傭兵にあたりません。
また戦闘員でもなく非戦闘員です。
ですので主だって軍事作戦を支援することはできないんですが・・・。(まぁここが問題なんですが)
あと、フランスなどにある”外人傭兵部隊”と多くの日本人が呼ぶ部隊も高額な給料貰ってるわけではないので傭兵ではありません。
堂々と傭兵なんて自負していたら捕虜になる権利すら有しませんから。

現状、国際法上から見れば彼れらは傭兵ではありません。
ですが国際法上の不備を指摘するPMCの社員も少なくなく、この先なんらかの取り決めができるかもしれません。