イージス艦と漁船の衝突事故

08_0219_01.jpg去年の3月に舞鶴に配備さればかりの「あたご」を見に行きましたね。
事故が起きて、うちのサイトにも「あたご」の写真があるので来訪者が増えましたね。。。
まぁそれと別に、色々気になった事項があるので書いてみました。

「あたご」に搭載されているレーダーですが、

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(↑)DDG-177「あたご」 SPY-1D
■対空レーダー
イージス艦の"眼"となる「SPY1-D」ですが、3次元レーダーで多機能ですが主たる用途は"対空捜索"です。
基本的に航海目的には使いません。

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(↑)DDG-177「あたご」のマスト
■水上レーダー
写真中央にあるのが、棒状のアンテナが「OPS-28」対水上レーダーです。
そして写真左下にある小さな棒状のアンテナが「OPS-20」航海レーダーです。
基本的に対水上捜索と航海は、この2つレーダーを使います。
これは他の汎用護衛艦にも積んでいるので、対水上捜索は他の護衛艦とほとんど大差ないです。
何故、対水上向けのレーダーを2つ積んでいるかというと、「OPS-28」が近距離の捜索に向かないレーダーなので、それを補うために航海用のレーダーとして「OPS-20」を積んでいます。
今回の事故も普通なら、この「OPS-20」で探知していたはずですけどね。。。

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(↑)写真左がDDG-177「あたご」、右がDDG-175「みょうこう
新型の「あたご」と前級の「みょうこう」も対水上・航海レーダーは同じです。

イージス艦自身、艦隊防空の要として開発されたものであり、水上捜査能力は最新鋭であろうと、大差はありませんね。
ただ、イージス艦の汎用の水上艦の戦闘能力が同じかというとそうではありません、近来の水上艦の戦闘の基本はミサイル攻撃であり、そのミサイルをいち早く探知し、そして同時に多目標を相手にできるイージス艦は汎用の水上戦闘艦に比べて有利です。

与太話はこのくらいで事故の話しに。
詳しい話しは分かりませんが事件が夜明け前だったことなどから、双方の人為的なミスなが気がしますね。
ただ、機械だけに頼らない訓練をする海自らしからぬ話しだとは思いますが。。。
行方不明者の安否が気遣われます。


■海自イージス艦と漁船衝突、親子が不明...千葉・野島崎沖 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080219-OYT1T00186.htm?from=top